JMSOが策定した独自概念と技術体系
①ゾーン・エンハンス・シェルター(ZES:ゼス)
ZESは「家全体ではなく、守るべき一室を確実に強化する」という住宅防災の新しい概念です。特定空間を“安全ゾーン”として設計し、地震・落下物・衝撃など多様な危険に対して時間的余裕と生存性を確保します。住宅事情に合わせて段階的に導入できる点が特徴です。
②ZESフレーム
ZESフレームは室内に75mm角形鋼管で構成する後付けフレームを設置し、一室を強化する技術です。低コスト・短工期で導入でき、地震時の倒壊初期や落下物に対する“最終的な生命空間”の確保を目的とします。狭小空間では寸法制約が課題となり、後継のZESボックス誕生の背景となりました。
③ZESシーリング
ZESシーリングはRC・SRC住宅における天井落下事故を防ぐために開発された“防護天井”技術です。吊り天井の補強や直天井の面保持を最適化し、地震時の落下を構造的に抑制します。既存天井を活かしながら吊点増設・面材強化・落下防止機構を組み合わせ、短工期で安全性を大きく向上させます。
④ZESボックス・コア
ZESボックス・コアは、高強度の薄型面材と細径フレームを組み合わせて、一室を“防護箱”として成立させる基本構造です。生活空間を大きく変えずに、地震・落下物・衝撃などから身を守る“最小安全層”を形成します。後付け施工を前提とし、住宅の規模・築年数を問わず導入できる柔軟性と拡張性を備えています。
⑤ZESボックス・モア
ZESボックス・モアは、ZESボックス・コアに対し、必要な防護性能を追加する拡張体系です。静的強化・動的衝撃・耐熱・耐水・遮音・機密化など“8つの拡張カテゴリ”から組み合わせ、住宅の危険環境や家族ニーズに応じてカスタマイズします。ZESの柔軟性と実効性を高める上位レイヤーです。
⑥ 同時連鎖的マルチハザード(SCH)
SCHは、1つの災害を契機に複数のハザードが連鎖して発生する現象です。地震→火災→停電、地震→津波→化学事故など、時間軸を伴う連鎖が被害を増大させます。ZESおよびJMSOの設計思想では、この“連続衝撃”に耐える構造・設備・運用の統合が重要な前提となります。
⑦地域特性的マルチハザード(RSH)
RSHは、地域固有の地形・気象・社会構造によって複数のリスクが重層的に存在する状態を指します。火山地帯の噴火と降灰、臨海部の地震・高潮・火災などが典型例です。災害が連鎖しなくても、多重リスクが常に併存するため、ZESや地域シェルター計画では包括的な評価が必須となります。
⑧SPIDER(スパイダー)
SPIDERは、中小企業の持つ技術・製品・特許などを「防災・防衛アセット」として束ね、研究・製品化・認証・市場展開までを一体化する産業プラットフォーム構想です。分断された技術を統合し、国家的安全に寄与する民間技術群を育てることを目的としています。
⑨AIMOS(アイモス)
AIMOSは、自治体・住民・企業をつなぎ、災害情報を3Dで統合する“地域デジタルツイン型防災プラットフォーム”構想です。平時の設備管理から、災害時の避難誘導・リスク可視化まで一体化し、自治体間連携も可能にします。民間発で次世代の地域レジリエンスを実現する基盤技術です。
⑩防災・減災・防護・強靭化(四語熟語)
JMSOが提示する「防災・減災・防護・強靭化」は、災害に対する四段階の安全戦略です。発生を抑える“防災”、被害を抑える“減災”、衝撃を受けても守る“防護”、回復力を高める“強靭化”という連続プロセスとして捉えます。個別施策ではなく、統合的な安全体系として運用します。
⑪シェルター7軸(構造・設備・装備・備蓄・運用・人材・ビジネスモデル)
シェルター7軸は、JMSOが定義する“シェルターを総合評価するための基準体系”です。構造・設備・装備・備蓄・運用・人材・ビジネスモデルの7項目を横断的に整理し、研究・認証・普及の共通言語とします。物理的強さだけでなく、運用と経済性を含む包括的な枠組みが特徴です。
