宣言
私たちは、民間の力を結集し、防災・減災・防護・強靱化を研究・提言・実装する実践団体です。
多様化するハザードから命と生活を守るために、シェルター研究を中心に据え、現実的で持続可能な備えを社会に実装していきます。
複合化するハザードと、動き出せない社会構造
日本では、地震・洪水・土石流・大規模火災などの自然ハザードに加え、ミサイル攻撃、電磁波攻撃、感染症、サイバー攻撃、大規模停電など、JMSOが整理してきた20種類以上のハザードが同時に存在しています。
さらに近年は複数のハザードが連動し、社会全体に深刻な影響を及ぼす“マルチハザード(多層災害)” の傾向が強まっています。
こうした状況に対し、「どれか一つに備える」だけでは不十分であり、社会を守るためには総合的な視点が不可欠です。
しかし、日本でシェルターや防護空間の整備が進まない背景には、行政・企業・住民・自治体・専門家がそれぞれ合理的に行動しているようでいて、結果的に誰も実行に踏み出せない“責任の空白構造” が存在しています。
この構造を超えるためには、従来の枠組みを超えた発想と、民間からの新しい動きが必要です。
行政と民間、その力を結ぶ新しい協働モデルへ
行政は制度と法令のもとで「社会全体を守る」役割を担います。
一方、民間企業──とりわけ全国の中小零細企業には、現場に根ざした知識、柔軟な発想、そして先進的な技術や素早い判断力が蓄積されています。
行政の強みと、民間の即応性・創造性。
この両者が互いを補完しあうことが、これからの防災にとって不可欠です。
JMSOは、民間側から主体的に動くことで、行政や地域社会と協働しやすい環境を整え、ともに進むための新しい協働モデルを提示していきます。
防災における「利益」と向き合う姿勢
日本では、「人の不幸で儲けるのか」という声がしばしば聞かれます。
災害や事故を“商売の材料”にしてはならないという、誠実な価値観が根付いているからだと思います。
しかし私たちは、“不幸を減らすこと”そのものに社会的価値がある と考えています。
防災・減災・防護・強靭化は、人々の命や生活を守る取り組みであり、本来は「続けられる仕組み」でなければ意味がありません。
そのため、防災の分野に健全な経済活動を組み込み、技術や仕組みを社会に定着させる循環を生み出すことが必要です。
これが私たちが掲げる理念、「経済から公益を生み出す」 という考え方です。
これは理想論ではなく、日本に防災文化を根付かせるための現実的な方法です。
JMSO独自の枠組み ― “7つの基軸”
JMSOは、シェルターを単なる避難空間ではなく、日常の暮らしの中で人の命と生活を守る“総合的で安心の基盤となる保護空間” として捉えています。
そのために、研究の柱となる7つの基軸 を次のように定義しています。
- 構造
- 設備
- 装備
- 備蓄
- 運用
- 人材
- ビジネスモデル(持続性の基軸)
これら7つが有機的につながることで、初めて社会全体を守る力が生まれます。
この枠組みは、日本の多層ハザードに対応するための体系的で実践的なアプローチであり、研究・普及・提言のすべての基盤となります。
民間技術を社会へつなぐ、“総合的な橋渡し役”として
日本には、世界水準の技術を持つ中小企業が数多く存在します。
しかし、その多くが制度の壁や実証機会の不足によって、社会に届く前に埋もれてしまっています。
JMSOは、こうした民間企業の柔軟で先進的な技術を、行政・自治体・学術機関・金融機関など多様な領域と結びつけ、社会に届く形へと統合していく“橋渡し役”となることを目指します。
JMSOは、元自衛官・技術者・中小企業経営者など、現場の最前線を知る多様なメンバーで構成されており、こうした知見をもとに橋渡し役を担います。
民・公・学・資金が循環する新しい連携モデルをつくり、社会全体のレジリエンスを高めるための回路を整えていきます。
私たちは誰かの上に立つのではなく、多様な力をつなぎ、有機的に働かせる“つなぎ手”として活動します。
前進し続ける開拓者として
社会が互いの様子をうかがう状況では、必要性がどれほど明らかでも、何も始まりません。
小さなことであっても、誰かが確かな一歩を示すことで、周囲の心理的な壁は少しずつ下がっていきます。
JMSOは、理念を語るだけでなく、前進し続ける開拓者として 小さくても確かな行動を積み重ね、その姿勢そのものを社会へのメッセージとして示していきます。
ともに新しい防災文化をつくるために
JMSOは、特定の専門家や企業だけの団体ではありません。
研究者、技術者、元自衛官・元消防官、中小企業、市民、自治体など、多様な立場の人々が連携して社会を守るための新しいプラットフォームを目指しています。
この趣意に共感してくださる皆様とともに、日本の未来を支える防災・減災・防護・強靭化の仕組みを確かなものとしていきたいと考えています。
一般社団法人マルチハザードシェルター推進協議会
Japan Multi-Hazard Shelter Organization “JMSO”
