JMSOは、日本社会が直面する多様で複合的なハザードを正確に理解し、命と社会基盤を守るための実効性ある備えを探求する研究団体です。
私たちは、地震・洪水・土砂災害・津波・火山災害から、パンデミック、化学・放射線災害、武力攻撃・テロまで、22のマルチハザードを体系的に取り扱っています。
研究の中心には、国内では十分に議論されてこなかった 「シェルター」 を据えています。
シェルターを“最後の砦”ではなく、日常の延長にある現実的な備えとして捉え、構造・設備・装備・備蓄・運用・人材という6領域に、持続性を担保するビジネスモデルを加えた7つの基軸にもとづいて研究を行っています。
調査・解析・設計検討・素材研究・基準づくり・認証制度の構築など、科学的知見と実務経験を融合させた取り組みを進めつつ、自治体や企業、専門家との協働により、研究成果を社会に実装する仕組みも整備しています。
これらの研究と実証の成果は、
・シェルター基準・指針の策定
・新素材・新工法の検証
・ハザード別の備えに関する知見整理
・教育・啓蒙コンテンツの開発
・認証制度や普及プログラムの構築
などとして順次まとめ、発信してまいります。
JMSOは、民間主導で現実的かつ持続可能な防災・減災・防護・強靱化を実現するために、研究成果を社会に還元し、安全で強靱な未来の基盤づくりに寄与していきます。
22ハザードリスト
1. 地震
突発的な強い揺れにより、建物倒壊、家具転倒、火災、ライフライン断絶が同時多発的に発生します。構造耐力と耐火性、二次災害を抑える内部安全、発災直後から生活を維持できる空間と装備が求められます。


2. 洪水
河川氾濫や内水氾濫により、浸水、孤立、停電、断水が長時間続くおそれがあります。浸水深を想定した居住区の高さ確保、電源と水の自立性、外界との通信確保、衛生環境の維持が生存の鍵となります。


3. 土石流
豪雨・地震・火山活動により突発的に発生し、建物を一瞬で押し流す破壊力を持ちます。流下方向からの衝撃力に耐える構造、上流側の遮断設計、早期避難判断のための監視・警報、内部の保護空間が不可欠です。


4. 津波
巨大地震に伴い発生し、圧倒的な水圧と漂流物で沿岸部を壊滅させます。高所・高台への迅速な避難が原則ですが、避難時間が足りない場合は高水位・衝撃力に耐える高度耐水構造や浮力確保型シェルターが重要になります。


5. 高潮
台風や低気圧により海面が急上昇し、堤防越流・浸水・停電を引き起こします。高潮は事前予測可能な一方、継続時間が長いのが特徴で、耐水性、生活維持装備、浸水環境下での孤立への備えが求められます。


6. 大規模火災(山火事を含む)
延焼速度が速く、煙・熱・有毒ガスが生命を脅かします。可燃物からの距離確保、耐火構造、煙の侵入を防ぐ気密性、独立電源と換気、長時間の退避が可能な内部環境が不可欠です。周辺状況の監視も重要になります。


7. ミサイル攻撃(直撃・100m以内)
爆風・熱線・破片が瞬時に致命的な被害を与えます。高い耐爆構造、衝撃波吸収設計、火災拡大を防ぐ内部区画、破片侵入を防ぐ気密性など、最も高度な防護仕様が求められます。直撃圏は避難判断の数分が生死を分けます。


8. ミサイル攻撃(100m以上)
直撃圏外でも、爆風によるガラス破片・飛散物・構造被害が発生します。耐圧性の確保、飛散防止、内部退避空間、通信確保が重要です。長時間の停電や交通寸断に備え、生活維持装備の充実が必要となります。

9. 核攻撃(着弾時とその後)
爆風・熱線・初期放射線・放射性降下物の複合被害をもたらします。耐爆・耐熱・遮へい性能を備えた退避空間、外気遮断と高性能フィルタ、数日〜数週間の生活維持力が必須です。放射線量の把握も生存の鍵となります。


10. 生物・化学兵器
空気・水・接触による感染や中毒が急速に拡大します。外気遮断、陽圧化、専用フィルタ、内部衛生管理、汚染除去の導線確保が重要です。医療対応が遅れる前提で、初期退避と封じ込めが生存率を左右します。


11. 電磁波攻撃(EMP)
高高度核爆発や特殊兵器により、広範囲で電子機器・通信・電力網が瞬時に麻痺します。電磁シールド、アナログ手段の確保、自立電源、生活維持物資の備蓄が重要です。社会機能が止まる前提での準備が求められます。


12. 疫病・パンデミック
感染症が急速に拡大し、医療逼迫・物流停滞・社会機能低下を引き起こします。生活空間の分離、衛生環境の維持、隔離可能な退避空間、一定期間の生活物資と独立性が必要です。外界との接触を最小化する設計が重要です。


13. 火山噴火(数km以内:噴石・火山弾・溶岩流・火砕流・降灰)
もっとも致死性が高く、火砕流や噴石は秒速で襲来し建物を破壊します。即時の退避が最優先ですが、耐熱・耐衝撃構造や内部保護空間が求められます。降灰は長期の停電・断水・交通麻痺を引き起こします。


14. 火山噴火(30km以内:噴石・火山弾・降灰)
直接的な破壊力は距離により低下しますが、大量の降灰は屋根荷重、換気障害、交通麻痺、生活インフラ停止を招きます。耐荷重確保、空気清浄、独立電源、外気遮断が生活維持の要となります。


15. 火山噴火(30km以上:降灰)
遠方でも降灰により換気障害、視界不良、停電、断水、農作物被害が生じます。長期化する可能性が高いため、空気フィルタ、生活インフラの冗長化、数週間の生活維持力を備えることが重要です。
16. テロ・暴動
突発的な暴力・火災・施設破壊・物流停止が発生し、治安の急激な悪化が見られます。外界から遮断できる安全空間、内部の生活維持力、通信確保、出入口の強化が求められます。状況把握と退避判断が生存を左右します。


17. ブラックアウト(大規模停電)
広域の電力喪失により、暖房・給水・通信・医療機器など生活基盤が同時に停止します。自立電源、蓄電、非電化の代替手段、衛生管理、家族の安全確保が不可欠です。復旧は長期化する前提で備える必要があります。


18. 太陽フレア
強力な磁気嵐により、通信障害・GPS誤作動・衛星機能停止・電力網の損傷が発生します。EMPに近い被害が広範囲で起こり得るため、電磁シールド、代替通信、自立電源、長期生活維持力の確保が求められます。


19. 隕石・人工衛星落下
小型でも衝撃力が大きく、爆風・破片・火災を伴う局所的な破壊を引き起こします。耐衝撃構造、飛散物対策、内部退避空間の確保が重要です。発生予測が難しいため、平時からの常設防護が生存率を高めます。


20. 原子力発電所事故(放射能漏洩・炉心溶融・爆発など)
放射性物質の拡散により、急性被ばくと長期的な汚染が発生します。外気遮断、高性能フィルタ、線量管理、長期滞在可能な生活空間、食料と水の備蓄が不可欠です。避難経路が遮断される前提の備えが必要です。


21. 指向性エネルギー兵器(レーザー・マイクロ波)
短時間で精密破壊を行う兵器で、構造物・電子機器・車両に深刻な損傷を与えます。耐熱・耐圧素材、電磁シールド、外壁の反射・分散設計が重要です。攻撃兆候を検知する情報環境と内部退避の準備も求められます。


22. サイバー攻撃
社会インフラ、行政、医療、企業を標的に、通信障害・物流停滞・電力喪失が連鎖的に起こります。システム冗長化、アナログ代替の確保、通信の二重化、生活の自立性を確保する空間設計が生存の基盤となります。


